産学共同研究
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海食健美

浅川さん

水産資源に着目した循環型社会創造事業

浅川さん

元熊本大学教授

NPO法人 植物資源の力 理事長
環境省認定・登録 環境カウンセラー

農学博士 淺川牧夫

現在私どものNPO法人『植物資源の力』では、海洋における水産未利用資源の高度利用の研究や海の自然浄化と生物資源の再生を目的に、「海藻の森構想」を基盤とした自然環境に優しい循環型都市及び事業の育成を目指したNPO活動を展開しています。

可能性に満ちた「海苔」という資源

陸上の多くの植物は古くは4000年以上も前から漢方など医薬素材としての利用方法が研究されてきています。これにくらべて水産資源の利用研究は遅れてお り、特に海藻類においてはさらに未開拓の状態でした。制がん剤の研究などは多くの特許が陸上資源においては認可されていますが、海藻類においてはあまり多 いとは言えない現状です。

海藻成分の研究を通して感じていることは、海苔は大変魅力ある海藻であるということです。色素成分ひとつにしてもそうです。上質の海苔の色は一般的に黒っ ぽく輝くような艶があります。これは色素成分フィコエリスリンの赤色やフィコシアニンの青色、クロロフィルの緑色、カロチノイドの赤橙色などがバランスよ く混ざることで生まれる天然の色です。これら色素のそれぞれに様々な食品への応用が考えられます。色素成分のほかにも、粘性を持つポルフィランと呼ばれる 多糖類や、アミノ酸、ペプチド、呈味性成分など健康に良い成分が非常に多く含まれています。これらは多くの研究で、メタボリックシンドロームなどの生活習 慣病を予防する効果があることが明らかになってきています。

利用と消費の背景にある自然環境

高度経済成長期の日本では資源の利用と消費ばかりに目がいってしまい、多くの環境問題を引きおこしたことを忘れてはいけません。

食品に限ったことではありませんが、メーカーは製品を生産しマーケットを広げるだけでは社会的責任を果たしているとは言えません。天然資源を原料として利用するならば、その資源の再生の場である自然環境についてもっと真剣に考えなければなりません。また、消費された後の廃棄物の影響を考慮しておかなければ なりません。

高度な経済成長の結果として、私たちは本来の食の安全・安心について、忘れてしまっていることが多いように思います。自然環境を基盤とした食の地産地消の波はこれからもっと広がっていくでしょう。経済成長が続く中国では以前の日本と同じような問題が報告されています。

『海藻の森構想』と産学官連携事業

私どもNPO法人『植物資源の力』が進める『海藻の森構想』は、地域住民と共同で「海藻の養殖」により沿岸海域の環境再生をはかり、さらにはそれを高度利 用する循環型社会・循環型企業を創造するプロジェクトです。藻場の再生は海域の環境浄化能力を増大させることがわかってきています。山の森から海の森を連 携した自然環境全体の循環を改善しようという壮大な試みです。そこには産学官が一体となって取り組む姿勢が必要条件となってきます。

その一環として、通宝海苔株式会社とは『海藻の森構想』の産業化を目的とした部分で共同研究を進めています。もう少し具体的に申し上げますと、海域の環境再生活動において生産される海藻資源や海洋資源の有効利用をめざすための研究です。

共同研究を行うにあたってはたくさんの企業からアプローチをいただきました。この中で、通宝海苔株式会社は地元の企業で、元来は海苔の海面養殖から創業さ れた会社であり、恵み豊かな有明海の自然環境と海苔の生態に精通している会社として高く評価しています。また、NPO法人『植物資源の力』の大変よき理解 者でもあります。

塚田社長の地産地消による食の健康への貢献に対しても熱意が伝わってきました。大変信頼できるパートナー企業であり、共同研究が進む現在で、これから多くの成果が生まれてくるものと期待しています。