海苔加工の流れと各工程の商品
海苔の分類
原料の乾海苔を専用の機械に通し焼き上げたもの。「海苔は焼きが命」と言われるほどで、工場でも焼きの工程は経験を積んだ熟練の職人が行います。
味付海苔は焼海苔よりもさらに手間がかかり、味液の製造、味液のつけ方、焼き方など各社様々なこだわりを持っています。当社では厳選された素材で1から出汁を取った、化学調味料無添加のタレを使用しています。
海苔を漉いて乾燥させただけのもので、昔は使う分だけ食べる直前にあぶって食べていたそうです。焼海苔に比べて磯の香りが強く、知ってると通です。
海苔の見分け方
海苔は育つ時期、温度、海況などなど様々な要素が複雑に組み合って味が作られます。野菜やお魚に、新鮮で美味しいものの見分け方があるように、海苔にも見分け方がもちろんあります。
工場では、出荷前に美味しい海苔かどうか目で見て最終チェックを行いますが、購入時の美味しい海苔の見分け方をご紹介します。
まず海苔の表面に注目してください。いい海苔には「艶」があります。また、焼海苔であれば深い緑色。寿司海苔(乾海苔)であればなるべく色の黒いものを選ぶと美味しい海苔だと言えます。
パッケージに「一番摘み」「早摘み」「若摘み」などが書いてあれば美味しい海苔を選ぶポイントになります。これらは初冬から正月にかけて最初に摘まれる新芽から漉きあげられた、いわゆる新海苔です。最初に伸びてきた新芽は細胞壁が非常に柔らかく口溶けが良い上、旨味成分もたっぷりで海苔の神髄ここにあり!と言えます。
ではどんな海苔を選んで選んで買えばよいのかというと。 一例をあげれば、「有明海産」で「早摘み」「一番摘み」の表記があり、表面に艶があり、色は深い緑色(乾海苔なら黒)の商品があれば美味しい海苔のことが多いと言えるでしょう。 また海苔の品質自体は良いものの「小穴」や「破れ・欠け」がある海苔を「はねだし・寿司はね」「キズ海苔」などの名称で通常より少し安く販売しているのもおすすめです。そのような海苔を選ぶ時も表面に注目して色や艶を見ると良いでしょう。
海苔の芽が柔らかい為、表面が穴あきになっています。歯切れが良く、口の中でとろけるような食感が特徴です。「○等級」や「はねだし」等の名前で呼ばれて売られていることも有ります。
使い方で選ぶ
産地によって特徴が異なる海苔は、好みや用途に合わせて選ぶことができます。
主な海苔の産地は有明海と瀬戸内海で、有明海は国内最多の生産量を誇ります。
海苔の養殖に適した有明海で育つ海苔は、柔らかく甘みがあり香り高い特徴があります。
瀬戸内海の海苔は、早い潮流の中で育つため肉厚でシッカリとした質感になり、巻き寿司やおにぎりにおすすめです。
産地で選ぶ
有明海
有明海は干満の差が大きく、波の穏やかな内海で、支柱式養殖と浮き流し養殖が行われています。ここで育つ海苔は柔らかく、香り高いものになります。香り、パリッとした歯切れを求める方には有明海産がおすすめです。
瀬戸内海
瀬戸内海の海苔養殖は、水深の深い場所で行う浮き流し養殖が中心で、早い潮流の中で育った海苔は有明のものに比べると肉厚になります。しっかりとした質感で時間が経っても破れにくいため、巻き寿司や直巻きおにぎりなど、少し時間が経って食べるものと相性のよい海苔を求める方におすすめの産地です。
用途に合わせて選ぶ
おにぎり
おにぎりに使う海苔の特性で一番大事なことは、「歯切れの良さ」です。そこでオススメするのは、柔らかさが特徴の「有明海産」の焼海苔です。多少の小穴やキズがある海苔でも、おにぎりには何の問題もありませんので、たとえば「ハネだし」や「すしのはね」などの表記があっても、有明海産なら最適です。おにぎらずにも、海苔の重なり部分の堅さを最小限にする有明海産が向いているでしょう。
ラーメン・汁物
ラーメンなどに添える海苔は溶けにくく、しっかりとした質感の瀬戸内産の海苔がおすすめです。
有明海産の初摘み焼海苔など柔らかい海苔はスープに浸すと溶け出してしまうため、不向きかもしれません。
もし有明海産を使う場合は、焼海苔に比べて溶けにくい乾海苔を使うと良いでしょう。
手巻き寿司
現在、ご家庭で巻き寿司を巻かれる方は少なくなったと言われていましたが、おうちご飯ブームや恵方巻きなどの追い風もあり、巻き寿司復権の兆しがあります。巻いてすぐ食べる手巻き寿司には、歯切れの良い有明海産が向いています。二つに裁断された手巻き寿司を選ばれるときも「有明海産」の文字を見つけてください。
ただ、巻き置きを前提とした巻き寿司には、黒々とした色艶と固く締まった海苔質の瀬戸内産が向いています。これは、時間が経っても割れにくいためです。
海苔の豆知識
意外と知らない海苔のこと。実はビタミンAやビタミンB12などのビタミン、カルシウムや鉄分、葉酸など様々な栄養素を含んだ栄養食品であり、食物繊維もたっぷりで低カロリー!そんな海苔の豆知識をお伝えします。
海苔の保存方法
海苔の保存における最大の敵は「湿気」です。海苔を使うときはこまめにふたを閉める、袋の場合はなるべく空気を抜く、乾燥剤をたくさん入れるなどを心がけると海苔が湿気にくく美味しさが長持ちします。また乾燥剤がパンパンに膨れていたら効果が切れかけているサインですので、早めに新しい乾燥剤を入れるようにしましょう。
よく「高温多湿、直射日光を避けて保存」とありますが、海苔の場合どこで保管するのが良いでしょうか。おすすめは「冷蔵庫の野菜室」です。野菜室は通常の冷蔵庫でも温度が少し高く、5℃~7℃に設定されています。また中は真っ暗なので冷暗所としてはぴったりな場所になっています。ただし冷蔵庫を使った保管で気を付けていただきたいのは、「冷蔵庫から出したのりをすぐに使わない」ということです。冷蔵庫から出したのりをすぐに使おうと封を開けてしまうと、海苔の表面に結露が出来てしまい、特徴である「パリッ」とした食感が失われてしまい、美味しさも半減してしまいます。冷蔵庫から出したらまずは袋のまま常温になるまで置いておき、それから封を開けるようにしましょう。
海苔の裏表
海苔の表面をよく見てみるとわかることですが、つるつるした面とざらざらした面があると思います。実は海苔にも「表面」「裏面」があり、つるつるの面が「表」、ざらざらの面が「裏」となっております。おにぎりや巻き寿司を作る際にはつるつるの面を表側にすると口当たりも見た目もよいものにできます。